昔から梅が好きでよく食べる。実家にいたころは、口寂しくなるたびに冷蔵庫を開け、おやつ感覚で梅干しを食べては、塩分の摂りすぎだからやめろと母親に言われていた。ご飯を食べるときにもよく梅干しをおかずにしていた。
梅のジュースもよく飲む。最近はどこでも見かけるようになったけど、昔はけっこう珍しかった気がする。見つけたら買っておいてもらって、家ではそれがなくなるまで毎日飲んでいた。今でも見かけるたびに買って飲む。
テレビで毎日のように流れていた梅酒のCMを見るたびに、いったいこれはどういうものなんだろうとずっと気になっていた。大人になってからは、飲みに行くたびにほぼ毎回梅酒を頼んでいる。梅干しサワーを頼むこともあるけど、梅酒のほうが好き。
駄菓子屋ではいつもカリカリ梅を買って食べていた。母親といっしょに遠くのスーパーに行ったときは、そこでしか売ってない「スッパイマン」を買ってもらっていた。家からは少し遠いコンビニが行動圏内に入ってきたころには、干し梅をよく買うようになった。
男梅が発売開始したときはちょっとした衝撃だった。当時、はちみつ梅至上主義とも言える風潮があった商品棚の中で、あえてその酸っぱさを前面に出したback to basicsな感じはむしろ新鮮だった。
一方で、ねりうめ的なジャンルにはいくどか挑戦してきたけどなかなか馴染めなかった。グミとか、梅干しシートとかも同じで。あの手の製品って、梅酒くらいにほぼ別物として振り切っているというほどでもないんだけど、梅そのものともちょっと距離がある感じがして、どないやねんと思ってしまっていた。あの形式を目指す限り、たぶんなにか加工の技術的問題とかで、どうにもいい感じにはならないものなんだろう、と長年思い込んでいた。
しかし4年くらい前に登場した男梅シートを試してみて、これはまだ捨てたものじゃないと直観した。たんにコンセプト的問題だったのだと。けれど当時はリピートしたいと思えるほどの出来ではなかった。それからしばらく時間が経って、最近になってからまた男梅シートが目に入ったので試してみたところ、シート的形状でありながら、ほぼ男梅そのものというレベルに達していた。これなのだ、求めていたものは。そして、男梅の本質が凝縮されている。男梅よりも男梅なのだ。モノマネで言うところの本物より似ているというやつ。このエントリーを書き切るまでに3枚食べた。
追伸: 男梅シートのパッケージは4年前から変わっていないようなので、そのころからおいしさが変わったのかどうかは実際のところわからない。製法が変わったのか、僕の味覚が変わったのか。また、男梅シートの製法はほかの梅干しシート系の製品とはだいぶ違っていそうな感じもするので、単純比較はできないかもしれない。